12FSCW第10号
2012日消連第31号
2013年1月28日


厚生労働大臣 田村憲久様

食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表運営委員 天笠啓祐
古賀真子
真下俊樹
山浦康明



抗議声明
「BSE(牛海綿状脳症)対策を後退させる決定に抗議するとともに
政策を撤回することを求めます」



厚生労働省は、米国産牛肉輸入条件の緩和について、2013年1月28日の薬事食品衛生審議会での了承を得たとして、2月1日より輸入条件である月齢を30カ月齢以下に、SRM(特定危険部位)の除去も20カ月以下のものから30カ月齢以下を不要とする決定をしました。また国内BSE対策についても検査対象を30カ月齢超へ、SRMも30カ月齢超へと規制緩和するものです。問題のある食品安全委員会の2012年10月の報告書をもとに、多くの国民の意見を無視して強行するこのような政策決定は、vCJD(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)のリスクを高めるもので、国民の安全を軽視し、米国の意向を汲んでTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加条件を整えるための暴挙です。ただちにこのような決定を撤回することを求めます。



1. 2012年10月10日に食品安全委員会がまとめ厚生労働省に答申した「プリオン評価書」は、肉骨粉などの飼料規制がBSE発生を抑制した、としていますが、世界では2010年に45頭、11年に29頭、12年に7頭がBSE患畜であることが判明しており、未だ発展途上国でのBSE感染牛の実態が明らかにされない状況です。この評価書は、欠陥だらけの米国の管理体制を是としています。すなわち、牛の肉骨粉を牛にだけ規制し、鶏や豚には与える緩い飼料規制の現状、検査数は全体の0.1%というBSE検査の実態、不完全な月齢確認の方法、SRMは30カ月超に限っていること、トレーサビリティも導入していないなど、米国のBSE対策は安心安全を担保できるものではありません。


2. 日本及び米国などにおける非定型BSEの分析、評価も不十分であり、輸入条件の緩和は現在の規制では米国産の2割程度しか対象とならない輸出牛を大幅に拡大させる目的としてされるものでしかなく、米国産牛肉のリスクを軽視するものです。


3. 2012年10月の食品安全委員会のパブリックコメント、2012年12月の厚生労働省のパブリックコメントにおいて多くの国民がBSE対策の緩和に反対する意見を述べ、また2013年1月の意見交換会で同様の意見が多く出たにもかかわらず、BSE対策を後退させる政策を強行することは国民の意思を踏みにじるものです。


4. 厚生労働省はBSE国内対策の緩和を2013年4月以降に行うことも予定しています。日本では2001年以降、SRMを全頭から除去し、飼料規制を強化させ、トレーサビリティを確立し、全頭でのBSE検査を実施するなどBSE対策を強化し安心安全を担保してきました。国内BSE対策の緩和は、と畜場を管理し、全頭検査を続ける食の安全のための取り組みをしてきた自治体の対策を混乱させるだけです。
市場へBSE患畜の製品が出回ることのないように、またSRMを全頭から除去し消費者を保護するBSE対策を後退させるべきではありません。

以上

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