各政党に政策アンケート

食の安全・監視市民委員会では、総選挙を控え、各党に食の安全に関するアンケートを依頼しました。


食の安全に関するご見解のお願い

私たち「食の安全・監視市民委員会(以下、当会)」は、市民の立場から、食の安全に関して食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省、消費者庁、消費者委員会などに提言を行うとともに、食品関連事業者を監視し、食の安全性と信頼を確立させることを目的として、2003年4月に設立した市民団体です。

このたび行われる衆議院議員総選挙は、これからの私たちの生活にとって重要な食の安全についても、それを確保していく方向性を決定する大きな選択の機会です。この間、食の安全行政はないがしろにされてきました。特に食品表示は、私たちが毎日食べている食品を知り、選ぶことができるための貴重な情報であり、消費者の権利そのものです。消費者にとっての食品表示とは、学習しなければ理解できないものではなく、子どもから高齢者まで、誰にも分かりやすく、正しいもの、消費者の権利を保障するもの、だと考えます。しかし、現在の食品表示制度は不十分な内容で、表示から十分な情報が得られません。ゲノム編集食品にいたっては表示を義務付ける制度すらありません。

また、インターネットやテレビ、新聞などにあふれる健康食品広告には、消費者を誤認させる誇大な内容、不当表示が多く、機能性表示食品についても、多くの問題点が指摘されています。さらに外食・中食の表示など多くの課題が積み残されたままです。

つきましては、総選挙に臨むにあたり、こうした問題に対する各党の考え方をお聞きし、その結果を公表して、国民の投票の参考になればと考えました。下記項目に対する貴党の見解をお聞かせいただきますようお願いいたします。恐縮ですが、ご回答は9月30日までにお願いします。なお、この内容につきましては、私たちの機関誌やホームページなどで紹介することをあらかじめご承知おきください。

1.ゲノム編集食品について

新しい遺伝子操作技術であるゲノム編集技術を応用した食品について、環境省、農林水産省、厚生労働省は、食品安全及び環境影響の審査を行なわず、届出さえも任意として生産・流通を容認し、消費者庁は表示の義務付けをしない決定をしました。安全性が確立していない食品が流通することは、想定外の有害作用のリスクを消費者に押し付け、環境にも悪影響をたらすものです。

私たちは、ゲノム編集食品の届け出義務化と安全性評価、環境影響評価の実施、表示の義務付けを求めています。ゲノム編集食品に対する見解を伺います。

2.遺伝子組換え食品の表示について

消費者庁は2018年に食品表示法に基づく遺伝子組換え表示制度改正の検討を行いました。多くの消費者・消費者団体は、全ての食品を対象にし、意図せざる混入率を引き下げること等を求めましたが、結局、義務表示は現状維持を決定し、任意表示が変更されただけで不十分な表示制度のままです。

私たちは、消費者の選択に役立つ遺伝子組換え表示制度の再検討を求めています。遺伝子組換え食品表示に対する見解を伺います。

3.食品添加物の表示について

消費者庁は、2020年に食品添加物の表示の改正を行いました。しかし、表示を拡大・充実させようとの方向はまったくありませんでした。現在の添加物表示は、一括表示、表示免除や省略などの例外を設定し過ぎており、消費者を誤認させる恐れがあります。

私たちは原則に戻り、使用した食品添加物を物質名で、全部表示することを求めています。添加物表示に対する見解を伺います。

4.健康食品の表示について

連日、「健康食品」に関する広告が、インターネット・テレビ・雑誌・チラシ・新聞に溢れています。その多くが身体的な効果・効能を示唆し、消費者を誤認させる表現で満ちています。中でも機能性表示食品は、消費者庁に定められた書類を届出れば、事業者の責任において、それらの機能を表示できることから、その市場は急拡大しています。

私たちは、機能性表示食品制度に反対するとともに、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、いわゆる健康食品など、全ての健康食品の表示、広告の規制を強化すべきであると考えています。「健康食品」に対する見解を伺います。

5.輸入食品の安全性について

食品の輸入が拡大するとともに食の安全が脅かされています。諸外国から輸入される食品の安全性確保のためにはどのような対策が必要だとお考えですか。見解を伺います。

 

以  上