newsletter No.13

No.13

2007年6月7日

 目  次

・第5回FSCW総会報告
・FSCWの活動
・OIEが米国を管理されたリスク国と認定
・やさしい「農」生物学 ⑧
・トランス脂肪酸学習会のご案内

巻頭言

 前回の本欄で、ノーレジ袋・マイバッグ持参運動に強い違和感を覚えると書いたところ、
マイバッグ運動に取り組んでいる何人かの方から疑問の声が寄せられました。
 環境保全のためゴミ減量が重要であること、容器包装リサイクル法によってスーパーにはレジ袋削減の義務があることは、誰も否定しません。

 でも私は、ゴミ削減義務の第一は消費者ではなく事業者だ、と言いたいのです。環境基本法では、事業者の責務として、地球環境保全のため、製品やその他の物の使用や廃棄による環境への負荷の低減、再生資源など環境負荷の少ない原材料を利用すること、などが定められています。同法に基づく国民の責務が、日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならないとされているのと比べても、事業者の責務の方がはるかに大きいことが分かります。

 捨てる段階で費用と労力をかけさせると、不法投棄が増えます。トレイ税、ペットボトル税、プラスチック税など、生産段階で費用を徴収すれば価格が高くなるので消費者は買わなくなり、その結果ゴミが減ります。物が売れなくなると企業が困るので、責任を消費者にかぶせ、ゴミ削減は消費者の責任だと言っているのではないかと私は思っています。

 容器包装リサイクル法にしたがっても、優先順位は「リデュース・リユース・リサイクル」です。事業者の側が、手軽で便利を売り物に、始末の悪いペットボトル利用を拡大するのは、この優先順位に反しています。JRはペットボトルをリサイクルした制服を着ているなどとテレビで宣伝していますが、つまり、これからもペットボトル入りのお茶をどんどん売りますという宣伝です。

 消費者団体は、ゴミの分別、リサイクル、マイバッグ運動など、効果がある程度目に見える運動だけではなく、事業者の姿勢を変えさせるという、息の長い、効果のなかなか上がらない運動にもぜひ取り組んでほしいと思います。消費者が自ら取り組むべき本当のゴミ削減策は、地産地消的な、自給自足的な生活に変えることではないでしょうか。

 でも、もしレジ袋有料化に賛成する団体があったら、レジ袋の代わりにゴミ袋のばら売りを提案してほしいと思います。高齢者所帯では、20リットルの袋でも大きすぎます。どうせゴミ袋を買うなら、持ち手のついたレジ袋ほどの大きさのゴミ袋があれば重宝します。

(神山美智子)