newsletter No.24

No.24

2010年3月25日

 目  次
・クローン家畜由来食品反対署名提出
・照射食品反対連絡会報告
・GMイネ裁判を傍聴して
・健康食品の表示を考える検討会報告
・農薬残留基準の決め方がおかしい
・トピックス(1)「コーデックス連絡協議会報告」
・トピックス(2)「HACCP導入と普及の動き」
・第8回総会案内

巻頭言

  現在、消費者庁によって、消費者基本計画の見直しが検討されています。民主党と各担当者との公開討論会なども開かれ、傍聴人も発言できるなど、開かれた雰囲気を醸し出しています。あの熱気に満ちた事業仕分けと同じなのに、こちらに熱気はなさそうです。
 消費者基本計画は、今後5年間の基本となる計画を見直すのですから、国民も議員も役所も、もっと熱意をもって取り組んでほしいと思います。しかし実態は、あちこちの役所から出されたペーパーを切り貼りし、ホッチキス留めしただけのようです。
 そもそも私たちの会では、食品問題に関する限り、屋上屋を架すごときものなので、消費者庁は不要というものでした。そして、消費者基本計画の審議においても、食品安全委員会を消費者庁に移管する話は出てきません。私たちの会も、日弁連も、食品安全基本法に消費者の権利を入れるべきだとか、食品安全委員会への消費者の参加などの改革という意見は出していますが、受入れられる見通しはなさそうですし、このことの報道もほとんどありません。
 政権交代して、「コンクリートから人へ」が政治のスローガンになったのです。人が本当に大切にされるためには、かけ声だけでなく、実現させるための制度作りがもっとも重要です。かけ声だけでは、再び政権が交代したとき、あとかたもなくなってしまいます。
 密約問題にからんで、これまで日本がアメリカの要求に従い続けてきたことが取り上げられています。食品安全問題と日米安保の根っこは同じです。1980年代以降だけでも、日本政府は、常にアメリカの要求を受入れ続けてきたのです。もうそろそろ国民の方を向いて安全政策をとってほしいものです。私たち消費者もそれを要求しなくてはなりません。
 日本より後に出来た韓国の食品安全基本法には、消費者の権利と義務が明文化されています。消費者庁が本当に役に立つかどうか、消費者基本計画によって判断しましょう。

(神山美智子)