newsletter No.25

No.25

2010年6月30日

 目  次
・第8回総会報告
・照射食品反対連絡会報告
・こんにゃく入りゼリーに関する報告
・グローバル化が招いた口蹄疫・感染症頻発
・またまた驚き、牛肉の生産実態
・トピックス(1)「GMパパイアの表示は厳格にせよ」
・トピックス(2)「指定添加物500品目が視野に」

巻頭言

 「健康食品」のコマーシャルはとても上手で、なんだか身体に良さそうです。あれだけしつこく宣伝されると信じてしまうのも無理はありません。しかし、健康に良いと思って買った商品にダイオキシン類がふくまれていたらどうでしょう。

 厚労省が昨年5月に実施公表した、輸入食品(肉類・魚類・健康食品各20検体)の緊急調査結果によると、肉類85%、魚類100%、健康食品95%からダイオキシン類が検出されています。日本人のダイオキシン類摂取の多くは食品由来で、しかもその大部分は魚類由来ですから、魚類100%は十分予想できることですが、健康食品の95%からダイオキシンとは、信じられない数値でした。魚類の最大値は2.26pg TEQ/gなのに対し、健康食品のそれは5.46(単位同じ)と、魚類の2倍以上。ちなみに肉類の最大値は0.1です。

 しかし厚生労働省に聞きに行ってみたら、なるほどと思われる結果でした。つまり最大汚染の健康食品は、サメ肝油という魚類由来のものだったのです。サメ肝油3品目から上記の他4.07、0.88のダイオキシン類が検出されています。
 サメ肝油については、2006年8月にも、ダイオキシン類対策特別措置法に基づいて定められた耐容摂取量の4~8倍のダイオキシン類が検出され、販売禁止と回収が指示されたことがあります。

 今回のサメ肝油に含まれるダイオキシン類は、ただちに健康被害を起こすような濃度ではないとはいうものの、肝油は健康に良いと思って、おそらく高い値段で買っているのでしょうから、健康に悪いことが明らかなダイオキシン類が含まれているのでは、何のために食べているか分かりません。

 このニュースレターを読んでおられる方は、添加物をなるべくとりたくないとお考えでしょう。しかし「健康食品」に含まれるカテキン・グルコサミン・ヒアルロン酸・プロポリス・ムコ多糖類などは食品衛生法上既存添加物に、EPA・オリゴ糖・オルニチン・コエンザイムQ10・コラーゲン・コンドロイチン硫酸などは飲食物添加物に、それぞれ分類されているものなのです。「健康食品」を食べていると思ったら添加物を食べていたなんて、笑えない喜劇です。

(神山美智子)