newsletter No.30
No.30
2011年9月16日
目 次
・生涯100ミリシーベルト以下なら安全なのか?
・食品表示制度一元化を考える学習会報告
・連載/食品と法律(9)「食品表示制度」
・民間稲作研究所見学報告
・連載/やさしい「農」生物学(24)
・FSCWの活動と食品安全委員会の動き
・トピックス/茶のしずく石けん被害電話110番
・FSCW運営委員会報告
・「食の安全・市民ホットライン発足1周年記念シンポジウム」案内
・「消費者が考える食品表示の一元化シンポジウム」案内
巻頭言
各地の原発に関する意見交換会で電力会社のやらせメールが問題になっていますが、おそらく誰も驚いていないと思います。どんな意見交換会でも、みせかけにやるだけで、結論は最初から決まっているのですから。
食品安全委員会でも、厚労省でも、農水省でも同じで、この国の大企業や為政者たちは、国民の意見に耳を傾けようとしません。
3月11日の東日本大震災と東京電力原発事故で、こうした実態がすっかり見えてしまいました。お笑いの世界でも「保安院など誰も信じていない」という言葉に出演者全員がうなづいているのを見ました。
実際この世はやらせだらけ。最近テレビコマーシャルの嘘に吐き気を催すほどで、民放を見ていてコマーシャルになるとスイッチを切ったり、音を消したりしています。
企業はなぜ大金を使って有名タレントやスポーツ選手を起用するのでしょうか。タレントがビールや缶コーヒーをうまそうに飲んで見せる、健康食品を推奨する。これを多くの善男善女は信じているのでしょうか。
ビールを飲んで大口を開け、うまそうにしている人も、ゴックンとしていないので、飲んでいないことが見え見えですが、それでも他人がうまそうに飲んでいると飲みたくなるのでしょうか。
小麦アレルギーになった人をたくさん出した石けんがあります。この石けんのコマーシャルに出ていた女優さんは小麦アレルギーになったのでしょうか。
原発から出る高レベル廃棄物の地層処分について、「私は必要だと思います」というコマーシャルに出ていた男女のタレントは、本当に必要だと思って出演していたのでしょうか。
テレビドラマ・映画やお芝居の舞台と、商品などのコマーシャルは性質がまったく違うのに、タレントやスポーツ選手は、単に「お仕事」をするつもりで出演しているのではないでしょうか。
私達は、コマーシャルがやらせであることをしっかり認識すべきですし、莫大な出演料を払ってもなお儲かる商品の原価はいくらなのか、考えたいと思います。
(神山美智子)