newsletter No.42

No.42

2014年9月22日

 目  次

・食品表示基準(案)にパブコメを提出
・消費者委員会の強権的な「申し合わせ」に抗議
・子どもたちの健やかな成長を脅かす相次ぐ学校給食の「異物混入」~文科省などに質問状を提出~
・連載34 やさしい「農」生物学
・書籍紹介『フードトラップ』
・トピックス①トランス脂肪酸による皮膚障害
・トピックス②TPPをめぐる状況
・トピックス③海外で販売の「コアラのマーチ」にWHO勧告超えるトランス脂肪酸
・FSCW運営委員会報告

巻頭言

 8月27日に開かれた、自民党消費者問題調査会に行ってきました。消費者庁から新長官はじめたくさんの職員が来て、説明しました。テーマは三つです。
 一つは景品表示法に基づく課徴金制度導入、二つ目は新食品表示法による食品表示基準と健康食品の機能性表示、三つ目は予算です。

 課徴金は景表法違反の表示・広告をした事業者に対し、売上額の3%の課徴金を課すというものですが、5000万円未満は免除、自主申告した事業者は半分免除、注意を尽くした業者は免除など、非常に不十分な制度です。3%も低すぎます。なお課徴金は、国民生活センターを通じて、消費者被害の防止や回復のための活動資金として寄付されます。
 参加議員はくちぐちに、3%は重すぎる、次期国会提出は早すぎる、被害防止活動への寄付は、いわば告発型運動をしている団体に、ある種のインセンティブ(?)を与えるのではないかなど、到底消費者問題調査会委員とは思えない発言を繰り返しました。

またパブコメを終えて、結果が未だ公表されていない食品表示基準を、パブコメ後に事業者側の要望に応じて変更したという報告もありました。
 最も大きな問題点は実施の猶予期間です。パブコメ案では加工食品2年、添加物1年、栄養表示5年だったのを、全部一律に5年にするそうです。栄養表示では食塩相当量とナトリウムの順序を変えます。食塩を添加していないのに食塩相当量を先に書くのでは消費者に誤解を与えるというのが理由です。しかし日本人の食塩摂取は世界的に見ても高いのですから、注意を喚起する必要があるはずです。

 私たちが廃止を求めていた製造所固有記号も、2以上の製造所に委託して製造している場合に認めると報告されました。
 健康食品の機能性表示は、自民党の説明会終了翌日からパブコメが始まりました。与党のご了解を得たということなのでしょうね。

 消費者庁は、消費者の利益のために存在するものなのに、どこを向いているのでしょう。

(神山美智子)