newsletter No.55

No.55

2017年12月22日

 目  次

・当会独自調査:健康食品による被害を減らすために健康食品会社に損害賠償責任保険への加入を聞いてみました
・TPPプラスの問題点
・遺伝子組み換え表示に関する検討会で何が議論されているか
・ブックレット『かくれんぼ食品』好評です
・連載:食品と法律(28)「食品衛生法改正の動き」
・ゲノム操作食品――脅かされる食の安全
・FSCW運営委員会報告

巻頭言

 元横綱の暴行傷害事件の報道が過熱していました。これは森友・加計問題隠しを意図していたように思えます。意図していないとしても、忖度していることは間違いないでしょう。

 いじめや暴力事件では、学校や教育委員会を居丈高に批判するマスコミが、相撲協会を批判しないのは、なぜなのでしょう。協会内部で円満に解決できなかったのかと発言した人もいました。元横綱は、弟弟子の無礼を正すのは兄弟子の務めだと発言しています。もし部下の態度が悪いからと、上司が酒席で部下を殴り怪我をさせたら、その会社は存続自体許されないかもしれません。

 米兵が飲酒事故を起こした後、米軍は飲酒と外出を禁止しました。相撲協会は米軍以下だと思います。
 国会では、森友への国有地払下につき、会計検査院の報告が出て、8億円の値引きに根拠がないこと、資料が廃棄されて検証すらできなかったことが明らかになっても、値引き交渉の録音が公開されても、誰一人責任を追及されません。嘘をつき通した人は出世までしています。これで国会審議は幕を引くのでしょうか。

 一部財務局職員を告発をしている動きもありますが、検察にも忖度が働くのではないでしょうか。
 それより、会計検査院は、なぜ解散前に結果を公開しなかったのでしょう。ある世論調査によれば、80%以上の人が森友問題の結果に納得していないそうです。当然、選挙の争点になっていたはずです。
 安倍首相と自民党は、選挙でみそぎが済んだ、むしろ、多くの国民の支持を受け、信託を受けたのだと言い張っています。

 大は国会・政府から相撲協会まで、なあなあの隠ぺいがまかり通るのでは、この世はまさしく闇です。
 一方で、沖縄辺野古の暴力的埋め立てに抗議した山城議長に対し、5カ月間も勾留した後、懲役2年6月を求刑しました。
 無理が通れば道理が引っ込む、という古諺がまだまだ生きているのでは情けない限りです。

(神山美智子)