ゲノム編集トマトの苗の配布中止とゲノム編集食品の規制と表示を求める特別決議
(食の安全・監視市民委員会第19回総会特別決議)
ゲノム編集トマトの苗の配布中止とゲノム編集食品の規制と表示を求める特別決議
新しい遺伝子操作技術であるゲノム編集技術を応用した食品について、環境省、農林水産省、厚生労働省は、食品安全及び環境影響の審査を行なわず、届出さえも任意とし生産・流通を容認し、消費者庁も表示の義務付けをしない決定をしました。
ゲノム編集は、推進派の説明のような「狙い撃ち」ではなく大量のオフターゲット変異を起こし、遺伝子を傷つける技術です。自然界の突然変異とは全く異なります。戻し交配で不都合な遺伝子が除かれると言っていますが、目的外の遺伝子が除かれたことを確認しない限り確実とは言えません。多くの傷ついた遺伝子を抱えた生物が食品として流通することは、想定外の有害作用のリスクを消費者に押し付け、環境にも悪影響をたらすものです。
しかし、昨年末、唐突にゲノム編集トマトの届出が受理され、メーカーのサナテックシード社は、ゲノム編集トマトの苗を消費者に無償で配布すると発表したのです。公表されている情報ではほとんど安全性確認のデータが示されていません。安全性が確認されていない食品の配布は人体実験と同じです。
私たちはサナテックシード社に、ゲノム編集トマトの苗の配布中止と安全性の確認を求めます。また行政には最低限、ゲノム編集食品の届け出義務化、安全性評価と環境影響評価の実施、表示の義務付けを求めます。
以上、決議します。
2021年4月17日
食の安全・監視市民委員会第19回総会参加者一同