ジアシルグリセロール(DAG)を主成分とする特定保健用食品について

府食第947号
平成17年9月29日

食の安全・監視市民委員会
代表 神山 美智子  殿

内閣府食品安全委員会事務局評価課長

ジアシルグリセロール(DAG)を主成分とする特定保健用食品について

2005年9月7日付け05FSCW第8号をもってお尋ねのあった標記の件に関して以下のように御回答します。

1.照会1について
本年8月4日の食品安全委員会において厚生労働省から中間報告された二段階発がん試験を、厚生労働省が自ら実施した経緯については、厚生労働省に照会されたい。
また、2年前の厚生労働省の考え方については、食品安全委員会としては、厚生労働省薬事・食品衛生審議会新開発食品調査部会における審議結果として「発がん性を示す所見は認められないが、」「念のために(発がん)プロモーション作用を観察するため、より感度の高いラット等を用いた二段階試験を行う」こととされたことを確認しており、これを踏まえ、平成15年9月に当委員会から厚生労働大臣への評価結果の通知において、「二段階試験においては、結果が分かり次第、当委員会にも報告されたい」旨の要請を行っています(詳細は当委員会第10回会合議事録を参照ください)。

2.照会2及び3について
本年8月4日の食品安全委員会においては、厚生労働省から、DAGに関する研究状況として、がんになりやすいように遺伝子を組み換えた特殊なラットを用いて調査した結果、雄の遺伝子組み換えラットの舌に扁平上皮がんのプロモーション作用が示唆された(ただし、雌の遺伝子組み換えラットと普通のラット(雄、雌とも)にはそのような作用は認められていません。)、当該研究を実施した研究者からは、さらに個体数を増やし、高用量長期間の試験が必要であるとの報告がなされており、今後追加試験を実施する予定との中間報告を受けています。
いずれにしても、本年9月20日付けで厚生労働省から「高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性について」の食品健康影響評価の要請がありましたので、食品安全委員会としては、本件についても同評価の中で慎重に審議していくことにしています。

3.照会4について
本件については、2.で述べましたとおり、本年9月20日付けで厚生労働省から「高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性について」の食品健康影響評価の要請がありましたので、食品安全委員会としては、現時点までに得られた科学的知見に基づき、中立・公正な立場から評価を進めることにしています。