「食品中の残留農薬等の暫定基準(第1次案)」の手続に関する問題点及び改善の申し入れ

FSCW11
20031217

総務大臣 麻生太郎 様

食の安全・監視市民委員会
代表 神山 美智子

厚生労働省によるパブリックコメント「食品中の残留農薬等の暫定基準(第1次案)」の手続に関する問題点及び改善の申し入れ

<事実経過>
厚生労働省食品安全部基準審査課は、平成151028日、食品中に残留する農薬等の暫定基準(第1次案)に対する意見を募集した。
この暫定基準は、改正食品衛生法に基づき、農薬等についていわゆるポジティブリスト制(基準が設定されていない農薬等が一定量以上含まれる食品の流通を原則として禁止する制度)を改正法公布後3年以内に導入することとしているため、暫定的な基準を設定するための意見募集である。

募集期間は平成151028日から平成16127日であるが、膨大な資料(別表1はNo.1No.647)がPDFで添付されている。資料は食品衛生協会がCDROM化して販売している。

<問題点>
このような膨大な資料を、一般消費者がインターネットを使って入手することは困難というより不可能である。
CDROM化したとはいえ、これもパソコンを利用している者以外、読むことはできないし、また厚生労働省認可法人の食品衛生協会から、代金5000円で購入しなくてはならない。

国の施策に対し、政府が一般国民の意見を募集するのに、その資料を代金を支払って購入しなくてはならないのは、理解に苦しむところである。
またこのような膨大な資料を読まなくては意見を提出できないとすれば、一般消費者・国民は意見を申し出る能力もなく、パブリックコメント制度を形骸化させるものと言わなくてはならない。

<改善の要望>
1 意見募集添付資料は、誰でも簡単に入手できる方法のみで配布するよう、指導されたい。
2 このように膨大な資料を添付して意見募集することは中止するよう、指導されたい。

上記につき、本年12月26日までに書面をもって回答されたい。

以上

(連絡先)

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