「えんきん」の安全性についてのご回答への再質問書に対する回答(ファンケル)

2017年7月18日

食の安全・監視市民委員会
代表神山美智子様

株式会社ファンケル
代表取締役社長執行役員CEO島田和幸

貴団体からの公開質問状へのご回答

いつも大変お世話になっております。貴団体からいただきました公開質問状につきまして、以下の通り回答申し上げます。宜しくお願い申し上げます。
当社製品「えんきん」(以下、本製品といいます。)につきまして、当社は安全性を確認した上で販売しており、多くの方にご利用いただいております。
今般、一部において、本製品の摂取により健康被害が生じたかのような指摘がなされておりますが、当社は、科学的な見地より徹底的な調査を行い、第三者である複数の専門家によるメディカル・オピニオンによる評価などをうけ、健康被害と本製品との間に因果関係はないと判断しておりますので、以下のとおり報告致します。

【経緯】
肝炎になられた男性(以下、A氏といいます。)から、「本製品を摂取しており、担当医師の診断では、製品との因果関係の可能性があり、治療費として相応の費用がかかっているJとのお申し出をいただきました。肝炎になられた男性には、心よりお見舞い申し上げるとともに、ご快復を祈念しております。
当社は、当該お申し出を受け、専門家を交えて、製品の品質、同様事案の発症の有無、安全性のデー夕、診断の内容について、総合的に確認し、健康被害の拡大の懸念はないと判断しました。その後、詳細な因果関係について、調査を行いました。

【A氏について】
・友人からプレゼントされたという本製品を1日2粒(1日摂取目安量)、11日分摂取とお申し出あり。
・10種類以上の医薬品の服用歴あり。
・4か所の病院を受診したのち、肝炎と診断。

【確認事項および調査項目】
原料および製品の品質
成分(ルテイン、シアニジン-3-グルコシド、DHA、アスタキサンチン)の量が適切に含有されているか、微生物汚染および変質がないかを確認し、異常はなかったことを確認しております。併せて、製造過程においても問題がなかったことを確認いたしました。
学術調査による各成分の安全性評価各成分の肝機能における安全性、成分同士の相互作用、成分と医薬品との相互作用について評価を行った結果、各成分の安全性は高く、肝機能に影響する可能性のある情報はありませんでした。

統計学的見地からの検証
本製品は、2015年6月の販売開始後、2017年3月までに、603万個以上出荷しております。また、本製品の購入者は、129万人以上と推定しておりますが、発売開始以来、本製品により肝炎に至ったとの報告は受けておりません。厚生労働省の統計によると、肝炎(ウイルス性肝炎除く)の罹患率は人口10万人に対して80人となっているため、一般的な肝炎の罹患率に比べ低い値となり、本製品に特異的に発生しているとは、考えられません。

診断書の確認および担当医師への聞き取り調査
A氏の診断書を作成したB医師(以下、B医師といいます。)に面会し、診断書の内容について確認したところ、摂取のタイミングから、本製品が疑わしいと判断しているが、本製品が原因であるかどうかという点については「判断できない」という回答でした。

メディカル・オピニオンによる評価
医療照会および学術調査の内容を基に、薬剤性肝炎の専門家である久留米大学医学部医学教育研究センター長神代龍吉教授と、肝炎の臨床経験が豊富な横浜市立大学医学部肝胆隣消化器病学教室の中島淳教授および斉藤聡准教授に個別にメディカル・オピニオンを依頼しました。
神代教授の結論は、”A氏の肝機能障害と本製品服用との間に因果関係ありと断定することはできない。”でした。併せて、“本製品とともに併用された薬物が健康被害をもたらした可能性を否定できない”との内容でした。
中島教授と斉藤准教授の結論は、“今回の肝機能障害は本製品を原因の第ーとするには困難と考えられる。服用していた医薬品に副作用報告として肝機能障害が示されているものもあり、その可能性も十分に有ると考えられる。”との内容でした。

【当社の見解】
・原料、製造過程、製品の何れにも暇庇は認められず、製品の異常はありません。
・学術調査の結果より、各成分が肝機能へ影響した可能性は低いと考えます。
・統計的な調査において、肝炎の罹患率に比べ低い値となり、本製品に特異的に発生しているとは考えられません。
・B医師へのヒアリングにより、本製品が原因であるとしづ客観的な医学的根拠はありませんでした。
・.3 名のメデイカル・オピニオンの結果、“本製品服用との間に因果関係ありと断定することはできない”、“本製品を原因の第ーとするには困難と考えられる”、“併用薬物による健康被害の可能性が否定できない”ということも尊重したいと思います。

以上により、本製品が構造的に肝機能障害の原因となる可能性は低く、この一例をもって本製品の安全性を否定するものではないと判断しており、安全性には何ら問題はなく、引き続き安心して摂取いただける製品であると考えております。

【当社の対応】
上記見解を基に、発生経緯、事案、当社見解について、消費者庁、厚生労働省および横浜市保健所中福祉保健センターへ情報提供を行っております。なお、本件に関してお問い合わせのあった報道機関に対しても、適宜ご説明を行っております。
また、当社におきましては健康被害情報について、引き続き注視し、適切に対応してまいります。

以上