食品安全委員会についての意見ならびに要請書

2003年6月3日

内閣総理大臣 小泉純一郎 様
食品安全委員会担当大臣 谷垣禎一 様

食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子

食品安全委員会についての意見ならびに要請書

  私たちは、市民の立場から、政府の「食品安全委員会」のリスク評価、厚生労働省や農林水産省などのリスク管理に対して提言を行うとともに、食品関連事業者及び行政を監視し、食の安全性と信頼性を確立させることを目的として2003年4月19日に設立された市民団体である。
新聞報道によれば、食品安全基本法に基づき設置される「食品安全委員会」委員が内定したとのことである。

食品安全基本法が提案された当初から、食品安全委員会は、リスク評価を行う独立した委員会であると説明されていたが、法の目的が「食品の安全性を確保して、国民の健康を保護すること」である以上、食品安全委員会に消費者代表を選任しなければ、その意義は半減することは明らかであった。
5月31日付け朝日新聞によると、政府は「委員会は利害調整の場ではない」として、消費者代表の起用を受け入れなかったと報道されている。

消費者代表は、事業者代表と異なり、利害関係人ではなく、基本法により最も優先的に保護されるべき、国民すべての代表者である。
このことを理解せず、消費者代表を事業者代表と同様に、単なる利害関係人としてしかとらえていないとすれば、新たな食品安全行政も、将来は危ういものと言わざるを得ない。 再度、食品安全委員会委員に消費者代表を選任すべきことを要請する。

また、委員長に内定しているといわれる寺田雅昭氏については、現在、厚生労働省の厚生科学審議会会長で、厚生労働省関係の各種審議会等の委員を務めており、食品安全委員会の独立性に照らして不適当である。

以上

連絡先  東京都新宿区早稲田町75 日研ビル2階
日本消費者連盟気付「食の安全・監視市民委員会」事務局
電話03(5155)4765・Fax03(5155)4767