newsletter No.16

No.16

2008年3月16日

 目  次

・BSE問題に関する緊急集会報告
・FSCW活動報告
・照射食品反対連絡会報告
・トピックス①米国「へたり牛」食用処理事件
・トピックス②クローン家畜食品は安全?
・第6回総会案内

巻頭言

 中国産冷凍食品からメタミドホス に続きジクロルボス、そしてパラチオンとパラチオンメチルまで検出されています。
 1ppm程度の検出値なら、生産段階の使用による残留と思われますが、100ppmを超えるとなると、残留ではなく意図的なものかとも思われます。
 現在起訴されて休職中の外務省職員佐藤優さんが、週刊金曜日に面白いことを書いていました。国同士の関係が悪いと粗悪な物が輸出されるので、良質な物を輸出してほしかったら両国の人々が仲良くする必要があるというのです。

 食品の安全性については報道も多いですが、働いている中国女性の労働条件、健康などはあまり取り上げられていません。まるで昔の女工哀史のように、きつい立ち仕事を低賃金で12時間もやらされていたら、雇い主や消費者を恨む気持ちになっても不思議ではありません。食品の安全性向上だけでなく、働く人の労働条件向上にも目を向ける必要があります。

 2月15日のBSE問題緊急集会で、立てない牛を無理矢理立たせて検査をパスさせるアメリカ食肉処理場の映像を流しましたが、こうした処理場で働く人たちの安全・健康もおそらく無視されているのだと思われます。90年代ポストハーベスト農薬が問題になったときも、果樹園や処理場での健康被害が取り上げられました。私が行ったカリフォルニアのレモン処理工場には、塩素消毒の臭いが立ちこめており、その中で髪の黒い女性ばかり働いていました。

 「ダーウィンの悪夢」という映画に、ビクトリア湖でとれる魚が清潔な工場で加工され、日本やEUに輸出される映像と、捨てられた魚の骨と頭をトラックに積んで運び油で揚げてまずしい人が食べている映像、そして多くの人がエイズに罹患する事実が語られていました。

 現地で働く人々の労働条件や環境は破壊されたまま、食の安全、輸入国側の人々の健康だけが騒がれ、そしていつの間にか忘れ去られ、また次の事件が発生しているのだと思います。(神山)