newsletter No.31

No.31

2011年12月21日

 目  次
・食品表示一元化シンポジウムに参加して
・食の安全・市民ホットライン発足1周年記念シンポジウム報告
・連載/食品と法律(10)
・ヒアルロン酸に関する公開質問状について
・連載/やさしい「農」生物学(25)
・FSCW活動と食品安全委員会の動き
・トピックス①/食品の放射性物質規制値についての食品安全委員会と厚労省の動き
・トピックス②/TPP参加とBSE対策の見直しを撤回すべき

巻頭言

 生来のおっちょこちょいで、転んでばかりいます。今回は胸椎圧迫骨折まで起こし、重いコルセットを装着して生活しています。

 事故後今日まで、X線撮影、CT、造影剤使用CTなど数知れず受けました。

 新聞に掲載されている「放射線量の人体への影響」によると、胸部X線検診による被ばく0.05ミリシーベルト、胸部X線CTによる被ばく6.9ミリシーベルトとされています。造影剤使用CTはさらに被ばく量が大きいそうですから、私はこれまでの積算で20ミリシーベルト以上被ばくしていると思われますし、今後も引き続き被ばくが続く予定です。

 ICRPの「医療、自然から以外に浴びてよい上限」は1.0ミリシーベルトとされていますが、医療による被ばくを単純に除外して良いものでしょうか。
 食品安全委員会が、外部被ばくを含め、生涯100ミリシーベルトまでという案を出した際のパブリックコメントには、医療被ばくも含めるべきだという意見がありました。

 整形外科には脚や腰にトラブルを抱える高齢患者が非常に多く、待合室は満員の状況です。X線撮影室、CT撮影室の前にも患者が大勢待っています。それだけ医療被ばくは疑問も持たれずに社会全体に広がっています。
 確かに私も頭を打ったので頭部CTは必要でしたし、骨折しているとX線撮影は必要です。こうした状況は福島でも同じだと思いますから、高い医療被ばくを受けた人が、空間放射線量の高い地域で暮らしていることになります。

 原発を容認してきた大人は、放射能汚染食品を食べ、汚染の少ない食品を子ども世代に回すべきだと主張しておられる学者がいます。私も基本的には同意しますが、高齢者は高い線量の医療被ばくの他に、食品からの被ばくを受けても良いものでしょうか。福島の高齢者はさらに外部被ばくも加わることになります。

 生涯100ミリシーベルトを食品による内部被ばくに限定した食品安全委員会の最終答申は、こうした弱い人々の存在を顧みない、人間性を欠くものだと思われます。

(神山美智子)