newsletter No.32

No.32

2012年3月16日

 目  次

・「食品表示一元化」パブコメ募集開始 消費者の知る権利・選ぶ権利を保障する表示を求めましょう
・院内学習会「アメリカの食肉処理場の現状」報告
・連続講座「消費者からみたTPP問題」報告
・農水省による牛用飼料に関する残留放射能の新許容値について
・照射食品反対連絡会「脱原発運動とともに、食品への放射線照射反対を」
・連載/食品と法律(11)
・連載/やさしい「農」生物学(26)
・トピックス①/ふくしま集団疎開裁判世界市民法廷
・トピックス②/ビタミン類、国内生産「ゼロ」
・トピックス③/TPP交渉について
・FSCWの活動と食品安全委員会の動き
・食の安全・監視市民委員会第10回総会のご案内

巻頭言

 3月11日の大地震と大津波、そして福島第一原発の爆発事故から1年たちました。被災地は未だにがれきに覆われ、立ち入り禁止区域では家畜が骨になって横たわっています。作家の五木寛之さんが、昨年8月3日の日経新聞に「山河破れて国あり」という文章を掲載しましたが、「国破れて山河なし」が本当ではないかと思います。

 週刊朝日3月16日号に掲載されているアメリカの原子力技術者アーニー・ガンダーセンさんと広瀬隆さんの対談やテレビの報道によると、今一番恐ろしいのは4号機のようです。

 4号機は、建屋の骨組みの間から格納容器が見えるほどバラバラに壊れています。地震のとき運転は停止されていましたが、取り出した燃料棒が大量にプールに入っています。週刊朝日でガンダーセンさんは「4号機の核燃料プールは、今も日本列島を物理的に分断するほどの力を持っています。震災時、このプールには炉心数個分もの使用済み核燃料が入っていたのです。大気圏内で行われた過去の核実験で放出された総量に匹敵するほどの、放射性セシウムが眠っています。」「現在もなお大量の放射性物質が放出されています。まずこの状況をきちんと把握しなくてはいけません。」と語っています。

 福島では、県民を県外に絶対逃がさないという恐ろしい決意の下、反対意見の封じ込めが進んでいるようで、福島の人々は自由に物が言えない状態にあるそうです。沖縄から、費用全額沖縄側負担で避難受け入れができるとの申し入れがあるのに、福島県がこれを打ち切ろうとしています。

 日本は国民を幸せにしない国ですが、それでも多くの人が国を信じ、県を信じ、市や町を信じて暮らしているのはなぜなのでしょうか。

 日本で起きた原発事故を受けて原発を止めようとしている国があるのに、原発を問う国民投票を求める人々に対し、石原東京都知事は文明を知らないサル呼ばわりをしました。ばばあ発言をしたこともあります。それでも石原都知事が当選し続けるのはなぜなのでしょうか。

(神山美智子)