newsletter No.37

No.37

2013年6月28日

 目  次

・第11回総会報告
・設立10周年記念国際シンポジウム報告
・連載/食品と法律(15)「食品表示法ができました」
・韓国・メキシコの経験から見えるTPP問題
・連載/やさしい「農」生物学(30)
・トピックス①米国でGM食品表示運動が拡大
・トピックス②BSE全頭検査中止を自治体が決定し始めた
・FSCW運営委員会報告

巻頭言

 復興庁水野参事官が、自身のツイッターで、「原発事故子ども・被災者支援法」関連の集会を揶揄したり、高市早苗自民党政調会長が、「原発で死んだ人はいない」と発言しています。しかし支援法は成立後1年も経過しているのに、具体策はまとまらないままです。今も汚染地域で暮らしている人や地方に避難している多くの人が見捨てられています。

福島第一原発の事故の影響を過小評価したいという意識の表れですが、その裏にあるのが、安倍内閣による原発再稼働、原発輸出の促進政策です。政府トップが、日本の原発技術は素晴らしいなどと空疎な言葉を並べているのです。

北アイルランドで開催されたG8で、アベノミクスが評価されたなどと言っていますが、つまり、命より金の政策が評価されたということです。日本は財政再建を促されたそうですが、これも教育や福祉や医療の金を削れということになるので、先進8カ国の首脳が揃って、命より金が大事と確認し合ったわけです。
企業トップや大企業のお友達の政治家が、経済成長にやっきになるのは当然として、普通の人々まで、それを支持するのは自分の命を投げ出すようなものです。日本の人々も、あの悲惨な原発事故を忘れたいのでしょうか。

首相の諮問機関である規制改革会議は、「世界で一番企業が活動しやすい国」と「世界で一番国民が暮らしやすい国」を同時に目指すため、規制を国際比較して見直すとし、医薬品のネット販売、健康食品の機能性表示の制度化などを答申しています。

私は小泉政権の規制緩和政策推進に対し、イソップ物語のカエルの王様を見るようだと批判したことがあります。カエルは、自分たちの仲間でなく、見栄えの良いサギを喜んで王様に迎え、次々に食べられたという寓話です。
そしてまたも、経済成長、規制緩和というサギが、カエルである私たち普通の人たちの命と健康を食べようとしています。あの自民党的手法にウンザリした多くの人が、民主党の「コンクリートから人へ」というスローガンに賛同して政権交代ができたのだと思います。その後民主党は失政を重ね自滅しましたが、コンクリートから人へ、脱原発などの目標は今も変わらないはずです。

(神山美智子)