食品添加物の急激な指定増加に対する抗議文

13FSCW第5号
2013年5月31日
厚生労働大臣 田村憲久様
食品安全委員会委員長 熊谷進様
食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子
食品添加物の急激な指定増加に対する抗議文
 厚生労働大臣は、2013年5月15日、硫酸カリウム及び乳酸カリウムを食品添加物に指定する厚生労働省令改正を公布しました。
これで指定添加物は434品目に増加しました。すでに今年に入って2月に1品目、3月に1品目の添加物が指定されています。

専門家によれば、今年中に10品目程度指定されるだろうと指摘されています。
このことは、2010年5月、食品安全委員会が策定した「食品添加物の健康影響評価指針」にあります。ここには、「JECFA(FAO-WHO合同食品添加物専門家会議)の安全性評価が終了し、欧米諸国で長期間使用が認められているいわゆる国際汎用添加物については、最新の科学的知見も調査した上で、原則としてJECFA及び欧米諸国で行われた評価書に基づく評価(評価書評価)を行う。」と記載されています。

さらにその根拠は、2002年7月の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会での了承事項にあります。
厚生労働省と食品安全委員会は、1972年食品衛生法改正時になされた「食品添加物の使用は極力制限する」との国会付帯決議を無視し、諸外国の要求や国内事業者の要望にのみ従って添加物を指定し続けてきました。

こうした食品添加物の指定ラッシュともいうべき事態は、国民の健康より、貿易の自由化と事業者の利益を優先させるものであって、食品の消費者にとって何のメリットもありません。
このような食品添加物指定急増に対し厳重に抗議します。

以上