newsletter No.39

No.39

2013年12月20日

 目  次

・信頼回復へ必要「な情報開示」を~アクリフーズ冷凍食品農薬混入事件:消費者目線での検証と対話の必要性~
・健康食品検討会傍聴記
・連載/食品と法律(17)「憲法を読もう2」
・おかしな“鶏卵”の日付表示
・連載/やさしい「農」生物学(33)
・トピックス①遺伝子組み換え野菜の時代が始まる
・トピックス②ほうれん草たった40gで子どもに急性中毒リスク発生
・トピックス③TPP交渉は漂流するか?
・FSCW運営委員会報告

巻頭言

 2月21日の東京新聞「筆洗」は、渡辺白泉という俳人が昭和14年につくった「戦争が廊下の奥に立ってゐた」という俳句を紹介し、「明日、目が覚めたら、まず廊下をごらんください。」という言葉で締めくくっています。
 集団的自衛権を閣議決定で認める、武器輸出三原則を改変する、慰安婦に関する河野談話を調査するなど、安倍政権は戦争ができる国への道をまっしぐらです。誰が戦争で儲かるのかを考えれば、安倍政権のスポンサーが自ずと明らかになろうと思います。

 あの大震災から3年、福島第一原子力発電所の事故は何一つ収束していないのに、再稼働や新規稼働まで計画されています。独立性を保つとして設置された原子力規制庁の官僚たちは、元の経産省などへ戻っていっているとか。
 狂牛病発生を契機に設立された食品安全委員会、中国産餃子事件をきっかけに設けられた消費者庁。どちらも農水省や厚労省からの出向組が事務方を支えています。そしてどこもかも、3年経てば出身官庁に戻るので、独立してその業務に当たることなど不可能です。

 わが家にはケーブルテレビがあり、時代劇専門チャンネルがあります。ときどき見ていると、昔おびただしい数の時代劇が作られていたことが分かります。
 そして内容はほとんど同じで、悪代官や悪徳商人、お家乗っ取りを企む悪家老などのオンパレードです。主人公はあくまで正義を貫き、権力(水戸黄門や大岡越前)や技(必殺シリーズ)で痛快に悪をこらしめます。

 悪代官や悪家老、悪徳商人は今もなくなっていませんが、悲しいことに水戸黄門も必殺仕事人もいません。誰かに頼っていても誰も悪を倒してくれないのです。

 私たちは権力も技もない集団ですが、戦争も世の中にはびこる悪も許さないという意気込みだけは持っています。
 このニュースレターもめでたく40号を迎えました。来月は創立11年目の総会が開催されます。
 これからも皆さんとご一緒に、大小の悪に立ち向かいます。

(神山美智子)