newsletter No.44

No.44

2015年3月16日

 目  次

・GM食品添加物が増え、消費者には分からない仕組みに
・使用しない食品添加物は禁止すべき 保存料「パラベン」について
・「食品異物ゼロ」は、不可能か?
・「芽止めじゃが」はガンマ線を当てた照射食品~流通・販売を監視してください~
・連載:食品と法律(18) 景品表示法に基づくクロレラ広告の差止め判決
・連載:やさしい「農」生物学(36) 東京電力福島第一原子力発電所の過酷事故と食・農・子ども(13)
・FSCW運営委員会報告
・総会記念講演会のご案内

巻頭言

 昨年以来、食品への異物混入が問題になっています。私たち食の安全・監視市民委員会は、まるか食品や日清食品冷凍などに、公開質問状を出して回答をもらいました。このやりとりは全部、監視市民委員会のホームページに掲載していますので、ぜひごらんください。 
 日本弁護士連合会・消費者問題対策委員会・食品安全部会は、食品事故被害救済制度を作れと提言しており、健康被害をもたらす食品事故の補償がどうなっているか調査中です。

 先日、日本食品衛生協会に話を聞きに行きました。同協会は、全国に59支部(都道府県、指定都市)と約700支所(保健所管内)が設置されており、会員は全国の食品等事業者約410万施設を対象とする130万余人の普通会員と、日食協の趣旨に賛同する食品関連企業、業種別団体等を対象とする特別会員があるそうです(同協会ホームページ)。
 同協会では、会員に対する食品営業賠償共済などの制度をもっており、保険金支払状況の一覧表をもらいました。そこに異物混入に対する保険金支払いも掲載されており、少し驚きました。異物による口の中の怪我、小石などによる歯の欠損など、2014年だけで30件に上っているのです。中には混入していた硬貨で歯が欠け、インプラントを行なったというものもあり、145万円の保険金が支払われています。こんな事故が起きるのでは、消費者の被害は大きいですが、事業者もきちんと備えておかなければ大変です。

 2月26日に開催された、民主党内閣部門会議(消費者・食品安全)で配布された日本フードサービス協会の資料によると、東京都における要因別苦情総数の2位が異物混入で、毎年およそ600件から900件も報告されています。異物の中で最も多いのがゴキブリ、2番目が毛髪です。
 虫や毛髪が入っていても直接健康被害につながるとは限りませんが、そのことによりショックを受けて、食事ができなくなる人が出るかもしれません。またこんなに多くの人が歯の欠損に苦しむことは許せません。
 各団体はマニュアルを作っているそうですが、多忙のため、守れない状況だそうです。
 食べものは、人の命と健康の源です。食品事業者は細心の注意を払ってもらいたいものです。

(神山美智子)