newsletter No.52

No.52

2017年3月24日

 目  次

・加工食品の原料原産地表示~あくまでも原則表示を基本に~
・築地市場の豊洲移転問題を巡る動き
・連載:食品と法律(26) 冷凍メンチは冷凍食品ではない?!
・トピックス1「砂糖の摂りすぎに注意!アメリカで『添加された糖類』の栄養成分表示始まる」
・トピックス2「重宝されるカット野菜」
・FSCW運営委員会報告
・出版記念講演会と総会のお知らせ

巻頭言

 安倍晋三首相の妻安倍昭恵さんが名誉校長に就任していた、大阪の森友学園「瑞穂の國記念小學院」が、国有地を格安で購入したことにつき、国会もマスコミも連日大きく取り上げています。このニュースレターが発行されるころ、事態がどう動いているか分かりません。本来なら政権が倒れても不思議はない事件ではないかと思います。

 この学園の幼稚園では、教育勅語を暗唱させ、運動会の選手宣誓で、「中国、韓国が心改め、歴史で嘘を教えないよう、お願いします」とか、「安保法制国会通過良かったです」「安倍首相がんばれ ニッポンがんばれ、エイエイオー」などと言わせています。 

 何も分からない子どもにこんなことを言わせるなど、不憫どころの話ではありません。戦前の軍国教育を知っている人に言わせると、戦争の足音が近づいている、そんなに戦争がしたいのか、と思えるようです。
 安倍首相夫人は、儒教の教書である『大学』素読を進める団体にも関係しているそうですが、森友学園はこれを取り入れ、幼稚園児が一斉に『大学』を素読し、昭恵夫人もこれに感激していたようです。

 また他方では、福島の放射能汚染から避難している学童に対するひどいイジメが多発しているのに、学校や教育委員会によって放置されている問題もあります。150万円もおごらされたことがイジメでなければ、何がイジメでしょうか。人間の感性がおかしくなっているとしか思えません。
 一見無関係に見えるこうした問題の中に、日本と世界に蔓延し続ける「ヘイト」「右傾化」の影が見えます。

 権力に従順で、他人の痛みに無感動な子どもを育てたいという意思がどこかにあるのです。その意思を、見て見ない振りをして、無関心で生きて良いものでしょうか。

 地下鉄に乗ると、1列の椅子に座る7人のうち5~6人は下を向いて、手の中の小さな光る画面に見入っています。この人たちに、世の中は見えていないのでしょうか。
 私たちは、戦後約70年、憲法と民主主義を守ってより良い社会を作ってきたと思ってきました、でも強い者勝ち、弱者切り捨ての世の中を作ってしまったのでしょう。
 今まさに、戦争が廊下の奥に立っています。

(神山美智子)