newsletter No.57

No.57

2018年6月30日

 目  次

・総会記念講演会報告「健康食品で被害にあわないために」
・食の安全・監視市民委員会第16回総会報告
・連載・食品と法律(29)「食品衛生法が改正されました」
・種子法廃止後のたねのゆくえ
・トピックス①「コーヒーの発がん物質をめぐる騒動」
・トピックス②「TPPの国会承認を糾弾する」
・新運営委員自己紹介
・FSCW運営委員会報告
・イベント案内「大切なお米をまもろう!~遺伝子組み換え稲裁判から見えてきたもの~」

巻頭言

 幼い子どもの命が奪われる事件が後を絶ちません。また新幹線の中では、無差別の死傷事件も起きました。
 今年6月は秋葉原事件からちょうど10年です。このとき、事件の裏には、格差社会とネット依存があると言われました。そしてこの10年で格差とネット依存もますますひどくなっています。今電車に乗れば、7人掛けの座席で5~6人がスマホを見て首をうなだれています。この人たちの目には、杖をついた人は見えないのです。児童虐待も減りません。そして虐待の連鎖です。

 これらは新自由主義が産んだ闇で、日本人の心を蝕んでいるのです。
 それにも関わらず、働き方改革という名の過労死促進法、カジノ解禁のIR法など、格差と依存症をなお一層深くし、人間の身体と心を殺そうとしているのです。

 小泉純一郎元首相が、今、盛んに脱原発を唱えていますが、規制緩和と新自由主義で人の身体と心を殺した張本人だと、私は思っています。彼はこうした過去の悪行を反省したのでしょうか。

 民法が改正され、18歳で成人になり、親の同意なくクレジットを組むことも可能になりました。若年破産が増えます。
 先日NHKスペシャルで、ミッシングワーカーという番組をやっていました。40代、50代で介護離職して親の年金で生活を続け、親が亡くなっても職業につく意欲と機会を持てない世代の実態に迫ったものでした。若い人も働き盛りも、過労死ぎりぎりの生活を強いられ、親が高齢化するとミッシングワーカーを強いられる。

 それを政府と企業は、自己責任で片づけるのです。こんな非人間的な社会を私たちはいつまで我慢するのでしょうか。

 安倍首相は、知人に便宜を図っても金をもらっていないから、「関係ない」と言い、それをかばう官僚トップは、嘘を言っても文書を改ざんしても、処罰されません。ある評論家がテレビで、安倍政権支持者は、株価が上がって喜んでいる人たちだと言っていました。財政を無視し、公金を使って株価操作しているのです。

 私の多くの友人たちは(皆年寄りですが)、もう生きているのが嫌になったと言っています。たぶん若い方たちも、嫌になっていると思います。何かできることはないものでしょうか。

(神山美智子)