newsletter No.62

No.62

2019年9月27日

 目  次

・オーストラリア産牛肉の安全性は? 大手スーパーと豪州生産者団体に聞いてみた
・食品添加物検討会傍聴記「制度見直しは喫緊の課題ではない?」
・照射食品反対連絡会の活動報告「厚労省と意見交換会を開催 照射ジャガイモの危険性を認めず」
・京都で開催されたダイオキシン国際会議で油症被害者がアピール
・第3次バイオ実験ノート情報公開請求訴訟を提起 シビリアンコントロールのささやかな挑戦
・食と環境の専門委員会報告「マイクロプラスチック問題を食の観点から調査研究する」
・トピックス「日米FTA合意へ」
・FSCW運営委員会報告

巻頭言

 今年の台風はあちこちにとんでもない被害をもたらしました。15 号台風は千葉県で猛威をふるい、停電と断水が長引きました。

 避難所などで粉ミルクを溶かすお湯がなく、多くのお母さんが困ったのは、今年に始まったことではありません。そのため、液体ミルクの販売が認められたはずなのに、今回の台風でも、避難所などに液体ミルクが備蓄されていたという報道に接しませんでした。

 液体ミルクは常温保存が可能で、栄養組成も母乳に近いと言われています。私たちの会では、液体ミルクをどう考えるべきか、運営委員会で議論しました。そして唯一の問題は1回ごとの使い捨てだろうということになりました。今回の台風のように、風によって破壊され飛ばされたものが恐ろしい量に上るというときに、液体ミルクの容器をその都度捨てなくてはならないのは、困った問題を増やすことになります。

 しかし、市役所や公民館などに、液体ミルクが備蓄してあったら、どれだけ多くの人が助かったことでしょう。成人用の液体ミルクも売り出されており、少々疑問に感じていました。しかし、もはや災害が日常と化した日本では、高齢者施設・病院などで食事ができない状況に対応するためにも、必要かもしれないと思うようになりました。皆さんはどうお考えになりますか? ぜひご意見を寄せてほしいと思います。

 それにしても、東日本大震災、北海道地震によるブラックアウトなど、大災害をたびたび経験している政府が、何も対策を考えてこなかったのはどういうことでしょう。

 憲法改正・自衛隊認知などを考える前に、防衛省を災害対策省に、自衛隊を災害対策隊に改組して、国土と住民を守らなければ、この国に未来はないと思います。世は、政府もマスコミも上げて嫌韓一色ですが、そんなことに血道を上げている余裕はありません。

 そもそも徴用工問題は、日本の裁判所と政府・企業がきちんと対処してこなかったことが原因です。徴用工の存在を認め、損害賠償義務も認めながら、戦後合併新設された会社はその義務を承継しないという判決もあります。日本国内の訴訟で和解解決していれば、韓国の最高裁で敗訴することもなかったはずです。

(神山美智子)