newsletter No.66

No.66

2020年10月20日

 目  次

・総会記念講演会「あなたが食べているパンは大丈夫?農薬グリホサート汚染の実態」
・食塩のマイクロプラスチックの検査分析結果の報告
・連載 農薬の法規制1
・培養肉・人工肉が拡大を見せている
・トピックス② 日米貿易交渉の拡大
・食の安全・監視市民委員会第18回総会報告
・FSCW運営委員会報告

巻頭言

 「自助・共助・公助」。久しぶりに聞きました。コロナ禍と度重なる自然災害でみんなの命すら脅かされているとき、「自助・共助・公助!」と言った人が新しく総理大臣になりました。生命に対する共感力も想像力もまったくないのでしょう。
 経済学者の浜矩子さんが、東京新聞の「時代を読む」というコラムに、「他者のために泣ける涙を持ち合わせているようには、到底、見えない」と書いています。まったく同感です。また彼はマキャベリ大好き男だそうです。浜矩子さんは、アホノミクスの名づけ人ですが、こんどはスカノミクスと名付けました。
 今私は、コロナで仕事が減り暇なので、毎日マスクを作っていろいろな人に勝手に送っています。それだけでなく、『日本書記』現代語訳を読んでおり、ちょうど仁徳天皇の章に差し掛かっています。「民の竈」(煙が上がっていないのは民が飢えている証として税を免除した)のエピソードで有名な古代の天皇です。
 仁徳天皇の話の中に、「今この国を眺めると、土地は広いが田圃は少ない。また河の水は氾濫し、長雨にあうと潮流は陸に上がり、村人は船に頼り、道路は泥に埋まる。群臣はこれをよく見て、溢れた水は海に通じさせ、逆流は防いで田や家を浸さないようにせよ」という文章があります。仁徳天皇は5世紀の人で、本当にこんなことを命じたどうかは分かりません。
 しかし、国の公的記録である日本書記に書いてあるということは、現代と同じような災害があって、それを防ぐための工事が行われたという事実はあったのでしょう。地球温暖化のため、災害は古代に比べ激化しています。そして多くの国民が家、田畑、工場、店、職、そして命を失っています。
 私は、菅内閣に何も期待してはいませんが、相変わらず規制改革(その悪しき例が機能性表示食品)、デジタル庁創設(マイナンバーカード紐づけ)、そして「政策減税、巨大企業が6割(東京新聞16日朝刊一面トップ見出し)」。
 古代の天皇の爪の垢でも煎じて飲ませたい気持ちです。とにかく普通の消費者・生産者である国民の権利と利益を根こそぎ壊すことだけは防がなければなりません。

神山美智子(代表)