Newsletter No.71

Newsletter No.71

2021年12月24日

目 次
●インチキ効能でも表示「機能性表示食品」…2
●添加物表示問題学習会………………………4
●大豆ミート食品類JASに意見提出…………5
●マイクロプラスチック検査……………………6
●食品容器包装の表示申し入れと回答…………7
●『みどりの食料システム戦略』学習会………8

巻頭言
今私は、『クリーンミート』(ポール・シャピロ著、日経BP社刊)という本を読んでいます。大豆を使った代替肉ではなく、動物の細胞から作った培養肉を「クリーンな肉」と位置づけ、このように名付けています。
大量の水と大地を使って穀物を作り、これを餌として牛や豚・鶏を非人道的な方法で育て殺して食べる。食肉生産は、温室効果ガス排出の最大要因だ。このようなことが許されるのか。
そういう問題意識は多くの人が持っており、アニマルウエルフェアを考えて、牧畜・養豚・養鶏の方法を見直そうという動きもあります。肉を食べすぎないようにしようという生き方もあるはずです。
しかし著者らは、どうしても肉を食べたいという欲求を抑えつけることはできないし、世界の人口が飛躍的に増えれば肉の需要も増大する。そうすれば熱帯雨林がますますなくなり、トウモロコシ畑になる。
だから肉を食べるために動物を育てて殺すのではなく、初めから筋肉細胞を培養すれば良いのだというのです。
また鞄や靴にするために牛を育てる必要はなく、皮だけ培養すれば良いし、牛乳もビールのようにタンクで培養すれば良い。卵白も培養できる。さすがに卵黄まで培養できるとは言いませんが。
培養肉のことは、いずれ消費者も納得するはずだと言い切っています。
訳者の鈴木素子氏も、あとがきで、「細胞農業で畜産業を根本から改革しようと立ち上がった若者」「地球と人類と動物を救いたいという情熱につき動かされたヒーロー」とまで書いています。
こうした事業はすでに実行段階にあるようですが、どうも新しいビジネスとしてうまい投資話になっているように思えます。
ところで私も弁護士なので、言いたいことが一つあります。司法浪人を誹謗中傷しないでほしいということです。司法試験はどこの国でも現役合格が難しい試験です。私も現役合格したわけではありません。浪人中、妻や夫に生活の支援を受けている人もたくさんあります。その結果,めでたく合格した人も、別の路を選んだ人もいます。そのどこがいけないのでしょう。マスコミもネットも人間の生き方を温かく見守ってほしいと思います。
神山美智子(食の安全・監視市民委員会代表)