主要政党に対する食の安全に関するアンケート結果

主要政党に対する食の安全に関するアンケート結果
 先の衆議院解散を受け、当会は、自由民主党、公明党、希望の党、日本共産党、日本維新の会、社会民主党、自由党、立憲民主党に食の安全に関するアンケート調査を実施しました。

10月17日時点で回答があったのは、社会民主党、日本共産党、日本維新の会、自由民主党、立憲民主党、希望の党(回答順)の6政党です。一方、公明党と自由党からは回答がありませんでした。アンケート送付後、自由党は今回の衆議院選に候補者を立てないことがわかりました。なお、公明党は当会の問い合わせに対し「今回は遠慮させていただきます」と答えました。

回答状況>10月17日現在

■回答:社会民主党、日本共産党、日本維新の会、自由民主党、立憲民主党、希望の党(回答順)
■未回答:公明党、自由党

質問事項と回答
質問1.2015年4月にスタートした「機能性表示食品」制度をどう評価しますか。
[回答]
(1)評価できる=日本維新の会、自由民主党
(2)制度の見直しが必要=社会民主党
(3)制度を廃止するべき=日本共産党
(4)その他=希望の党、立憲民主党
「その他」と答えた政党のコメント
・立憲民主党:特定保健用食品や機能性表示食品はじめとする、いわゆる「健康食品」については、消費者による商品の有効性や安全性についての誤認や過信が起こらないよう、科学的根拠に基づく情報公開、表示・広告の適正化等について、消費者委員会専門調査会の議論を踏まえ、制度全体を見直す必要があると考えていますので、今後検討します。

・希望の党:特定保健用食品や機能性表示食品をはじめとする、いわゆる「健康食品」については、消費者による商品の有効性や安全性についての誤認や過信が起こらないよう、科学的根拠に基づく情報公開、表示・広告の適正化等について、消費者委員会専門調査会の議論を踏まえ、制度全体の一体的な見直し、不適切な表示の取り締まりなどの在り方について、検討を進めていきます。

質問2.健康食品などによる事故が後を絶ちません。消費者保護の観点から、事故を起こした商品名ないし成分名の詳細な公表を積極的にするべきかと思いますが、どのようにお考えですか。
[回答]
(1)積極的に公表するべき=社会民主党、日本共産党、日本維新の会
(2)積極的に公表する必要はない=なし
(3)その他=自由民主党、立憲民主党、希望の党
「その他」と答えた政党のコメント
・自由民主党:健康食品などによる健康被害情報については、被害の拡大防止や類似の事故の発生を防止するために必要がある場合には、具体的な商品名等の詳細な情報を公表するなど適切に対応することが必要だと考えます。ただし、事実関係が明確でない場合等に、具体的な商品名等の詳細な情報を公表することは事業者の利益を不当に損ねるおそれもあることから、事故情報を精査した上で慎重に対応する必要があると考えます。

立憲民主党:健康食品等による事故の防止について、不適切な表示の取締りの強化など、どのような施策の実効性が高いのか今後検討していきます。

希望の党:上記の検討を進めていく中で、健康食品による事故への対策についても同様に検討を行っていきます。

質問3.食品の輸入が拡大するとともに食の安全が脅かされています。諸外国から輸入される食品の安全性確保のためにはどのような対策が必要だとお考えですか。具体的にお書きください。
[回答]
・社会民主党:TPPなどの貿易交渉で日本独自の食の安全基準や規制を緩和・変更しないこと。全ての飲食料品に流通経路を明確にするトレーサビリティ制度の導入。加工食品を含む原料原産地表示の大幅拡大。そしてもちろん食品衛生監視員増員など輸入農畜産物・食品への監視・規制強化も欠かせません。こうした課題に社民党は取り組みます。

日本共産党:輸入食品への農薬残留、遺伝子組み換え食品の横行など食の安全・安心を脅かす事態が後を絶ちません。食品の検査体制・安全基準を強めることが必要です。輸入食品の水際での検査体制を抜本的に強化し、食品衛生法違反の輸入食品の国内流通を根絶します。食品の原料・原産地表示をすべての加工品に実施します。食品に関する表示制度を一本化し、製造年月日表示を復活させます。遺伝子組み換え食品の承認検査を厳密にし、遺伝・慢性毒性、環境への影響に関する厳格な調査・検証・表示を義務づけます。食の安全よりも貿易拡大を優先する自由貿易協定・経済連携協定は認めないことが重要です。
TPP協定は、遺伝子組み換え食品の「貿易の促進」をうたい、各国の食の安全基準が貿易障壁にならないように外国企業の注文を受け付けることを参加各国に求めています。食の安全を脅かすこのような貿易ルールを認めるわけにはいきません。

日本維新の会:党内で議論中

自由民主党:わが党においては、輸入食品の安全対策として、①輸出国における対策、②輸入時(水際)での対策、③国内流通時での対策の3段階において、安全性確保のための措置を講ずることが重要であると考えます。これらの3段階における措置を拡充するため、必要な職員や検査機器の確保等、適切な監視指導を徹底するための体制の整備を図り、輸入食品の安全性確保に万全を期する必要があると考えます。

立憲民主党:安全・安心な食品の提供体制を確立するため、輸入農林水産物を含めあらゆる分野における食品トレーサビリティを促進すべきだと考えます。安全性に懸念のある輸入食品の増加を踏まえ、予防原則・未然防止の観点から、遺伝子組換え食品の表示を厳格化するとともに、肥育ホルモン剤の利用状況を消費者に伝達するスキームの構築に取り組むなど、消費者の権利に応える施策の推進を図ります。

・希望の党:世界最先端の食の安全基準の導入、有機農業の推進、地理的表示の促進などにより、世界の消費者に選択してもらえる農業生産基盤を創る。

以上