東京都消費生活条例第8条に基づく申し出(市販食塩からのマイクロプラスチック検出の件)

20FSCW第17号
2021年1月8日

東京都知事 小池百合子様

食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子

東京都消費生活条例第8条に基づく申し出

 食の安全・監視市民委員会は、2003年に設立された団体で、食の安全問題につき種々の調査活動を行い、また事業者の事業活動や行政のあり方を監視し、意見を述べる団体です。
当会は、かねてより注目していた一般市場流通食品中へのマイクロプラスチック残留について、2020年10月に東京都内のスーパーマーケット、デパート及び小売店で無作為に購入した食用塩8種類を、専門機関に依頼して検査分析を行いました。第1次の検査分析はデジタルマイクロスコープVHX-500(KEYENCE)によるもので、マイクロプラスチックの混入の有無を検査するものです。その結果、8種類のうち1種類から2つの繊維片を検出しました。そこでこれらの繊維片の材質を第2次検査(FTIR法)した結果、1つは繊維片1.3mmのポリエチレンテレフタレート、もう1つは繊維片1.6mmのポリプロピレンと判明しました。これらはマイクロプラスチックの定義に当てはまるサイズであり、また食品の異物混入です。当会の実施した分析結果は別紙のとおりです。
今回の調査は、会員から募った寄付金により、日本国内の研究機関に委託して分析しました。本来なら海外の研究機関にさらに詳しい分析を依頼したいところであり、また検体も増やしたいところですが、弱小団体としては費用的に不可能です。
一般に市場で販売されている食用塩にマイクロプラスチックが含まれていたという事実は、海洋プラスティック汚染が深刻であり、その結果、市販の食用塩も汚染されていることを表しています。
このことは、東京都消費生活条例に定める措置がとられていないため、消費生活条例1条に定める「消費生活において、商品又はサービスによって、生命及び健康を侵されない権利」が侵されている疑いがあるときに当たります。
また都は、条例3条4項に基づき、「都民が消費者の権利を確立し、消費生活の安定と向上を図るため自主的に推進する組織及び調査、研究、学習等の活動に対して、必要な援助及び協力を行うよう努めなければならない」とされています。
よって市販の食用塩を幅広く試買し、マイクロプラスチックの精密な分析調査を行い、その結果を公表されるよう申し出を行います。

以上

<連絡先>
食の安全・監視市民委員会
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19-207
Tel:03(5155)4765 Fax:03(5155)4767
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