newsletter No.18

No.18

2008年9月11日

 目  次

・緊急座談会「どう考える? 消費者庁構想」
神山代表/生井運営委員/天笠運営委員
・母子毛髪ミネラル分析報告
・第3回食品表示を考える学習会報告
・体細胞クローン家畜をめぐる現状
・会員からの情報「ニガリ報道について」
トピックス ①「築地市場移転問題」
②「コメ偽装表示について」
・第5回食品表示学習会のご案内

巻頭言

 北京オリンピック開催直前、中国でも餃子による中毒者が出たというニュースが飛び込んできましたが、この情報はサミット前に日本にもたらされていたそうです。さらに餃子問題について、農水大臣になったばかりの太田誠一さんが、NHKの番組に出演し、日本は消費者がやかましいから徹底する、日本は社会主義の中国のように、まずいことを隠していい国とは違い、常に消費者のプレッシャーにさらされているなどと発言したそうです。その後、日本は消費者が正当な権利を主張する民主主義国家という意味の発言だったと釈明したとのことです。

 私は、オリンピック直前に公表したという点に意図的なものを感じました。

 しばらく前に友人が貸してくれた、チョムスキーの政治とメディアに関するDVDの中で、チョムスキーが言っていたことを思い出したからです。チョムスキーは言語学者で活動家、アメリカの良心と言われている人だそうです。

 民主主義社会では、政治的関心を持つ約20%の人から政治に対する支持を得る必要があるので、そうした人たちに思想を注入し、合意を捏造するための情報を与えるのがメディアの役割。一方、政治に無関心な80%の人の脳を浪費させるのもメディアの役割。スポーツも重要な洗脳システムであり、スポーツによって、権威に服従し、リーダー的存在の下に団結する状況を作り上げるというものでした。

 メディアはこの2週間以上を、熱狂的オリンピック報道で埋め尽くし、この間、餃子問題も太田発言に関しても報道しませんでした。

 餃子だけでなく、ガス湯沸器もエレベーターも、警察が介入した事件はみな長期化します。しかも捜査に支障が出ると言って情報も出しません。

 計画されている消費者庁に、事故原因調査権を与え、早期に情報を公開するという原則を打ち立てなければなりません。

 私たち消費者も、政府にプレッシャーをかけ続けられるように、目を開いて真実を見極めましょう。

(神山美智子)