newsletter No.67

No.67

2020 年12 月24 日

 目  次

・塩のマイクロプラスチック検査2次検査結果の報告
・ポカリスエットについて大塚製薬と意見交換会
・明らかになった食品表示基準なき農産物の「朝どり」表示
・進行する有機フッ素化合物の人体汚染
・食品と法律(38) 農薬の法規制2
・特定商取引法及び預託法の改正について意見書を提出〜食品被害防止へ実効性ある改正を求めます〜
・除草剤問題で日消連が連続講座 規制を求めて市民や農家が議論
・トピックス 巨大企業を利するメガFTA協定
・FSCW運営委員会報告

巻頭言

先日NHKで「脱コル」という報道がありました。女性らしさ・男性らしさの強要からの脱却の象徴としての「脱コルセット」という意味です。韓国から始まった運動だそうです。
コルセットといえば、映画「風と共に去りぬ」で、主人公のスカーレット・オハラが、黒人女性のメイドに手伝わせて、コルセットをギューギュー締める情景が思い出されます。
女らしい美しさを強制するために使われているのが、「コンプレックス広告」だともいわれます。
コンプレックス広告といえば、健康食品の独壇場ですね。シミ・皺・たるみ・おなかの脂肪・膝の痛みなどを指摘して、飲むだけで良い結果が得られるかのような広告。コラーゲン・DHE・EPA・プルテオグルカン・筋肉成分などなどなど!
私が最近最悪と考えるコンプレックス広告は、久しぶりに訪ねて来た孫に、「おばあちゃん、お口臭―い!」と言わせるものです。こんな過酷な広告があるでしょうか。口臭は自分では分からないので、恐怖に陥れることになります。自臭症という神経症の一種に追い込むことにもなりかねません。
また化粧品や医薬部外品の広告では、一塗りするだけで、何歳も若返るかのようなことばを使っています。薄毛に悩む男性用の健康食品広告もあります。
美しく若く見せたい、見てもらいたい、他人に嫌な思いをさせたくないという過度の思い込み。これを刺激して物を買わせるのがコンプレックス広告です。こんな広告に乗らないようにすることも脱コルです。
また便秘も頻尿も健康食品広告の王者です。食事時もはばからず、便秘や頻尿、あるいは尿漏れパッドなどの広告オンパレードです。恥の心はないのですね。
調剤薬局においてあるフリー雑誌には、体操などの有益な記事に埋もれるように健康食品の広告が掲載されています。
薬局を訪れる人は基本的に病人です。病人に、有益な情報と思い違いさせかねないコンプレックス広告は、卑怯ではないでしょうか?
神山美智子(代表)