米国食肉処理施設の査察内容の公表および消費者・市民との対話を求めます

07FSCW第8号
2007日消連第7号
2007年5月29日

内閣総理大臣 安倍晋三様
厚生労働大臣 柳沢伯夫 様
農林水産大臣臨時代理 国務大臣 若林正俊様

食の安全・監視市民委員会 代表 神山美智子
NPO法人 日本消費者連盟 代表運営委員 富山洋子

米国食肉処理施設の査察内容の公表および消費者・市民との対話を求めます

 農林水産省と厚生労働省は、日本に米国産牛肉を輸出している食肉処理施設の査察を5月13日~28日まで行いました。この査察の結果、問題がなかった施設については輸入の際の全箱検査を終了するとしています。さらに、米国が貿易条件を守っているかの検証が終われば、現在の20ヶ月齢以下に制限している貿易条件の緩和にも応じる姿勢をみせています。また、米国は、先の国際獣疫事務局(OIE)の総会での「準安全国」への認定を盾に、貿易条件の緩和の圧力を強めることは必至の情勢です。
私たちは、こうした動きに強く抗議します。これまで再三に渡り、米国側の輸出条件違反事例が相次いでおり、米国での食肉処理のずさんさが明らかになっています。また、米国内のBSE対策も不十分なままです。特に、飼料規制については、特定危険部位を含む牛の肉骨粉を豚や鶏などの飼料原料に使用していることをOIEでさえも指摘しており、これを改善をする動きもありません。
このような状況の中で、拙速に順守状況の検証を行おうとすることに反対します。まず、査察の内容について全てを明らかにし、国民への十分な説明と対話をおこなうべきです。市民・消費者の声を聞くことなく、条件の緩和に応ずることはとうてい許されることではありません。
また、米国が要求するようなOIEでの評価に合わせて輸入条件を緩和することなく、むしろ米国内のBSE対策を日本並みに厳格にするよう主張することを求めます。

以上

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