パブリックコメントに対する申し入れ

FSCW10
20031217

厚生労働省食品安全部基準審査課御中

食の安全・監視市民委員会
代表 神山 美智子

パブリックコメントに対する申し入れ

  貴省は、平成15年10月28日、食品中に残留する農薬等の暫定基準(第1次案)に対する意見を募集したが、別添資料中別表2 暫定基準第1次案はNo.1~647までという膨大なもので、しかも全部PDFであるため、パソコンを持ってインターネットに接続しており、アクロバットリーダーを使える者に限られることになる。

仮にそうした設備を有していたとしても、この膨大な資料をインターネットで入手し、これを読み解くまでには、想像を絶する膨大な時間と労力を要することは明らかである。
このような状態であるにもかかわらず、貴省は紙の資料を用意しておらず、食品衛生協会においてCDROMを作成したというのみであるが、そのCDROMは1枚5000円である。
政府が施策に対し、国民の意見を求めるのに、資料を購入しなくてはならないということは、許し難いと言わざるを得ない。企業や大学など、公費で購入できるところでなくては、資料を入手して読み解き、意見を言うことは実際不可能である。

このことは、貴省が、一般国民の意見提出を最初から期待していない、むしろ一般国民、一般消費者の意見提出は迷惑であると考えている証左である。

意見を募集するのであれば、このような膨大な資料をつけたものではなく、誰でも容易く入手でき、読み解くことができる程度の資料に基づく意見を募集すべきである。
貴省の今回の方針は、パブリックコメント制度を形骸化させ、リスクコミュニケーションの実を奪うもので、到底認められない。
この点につき、貴省の見解を本年12月26日までに書面で回答されたい。

以上

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