要請書 「人工甘味料スクラロースにつき、安全性の再評価を行い、 販売に対する規制措置をとることを求めます」

 2010年7月26日
消費者庁長官 内田俊一様
食品安全委員会委員長 小泉直子様
厚生労働大臣 長妻昭様
環境大臣 小沢鋭仁様
食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子
特定非営利活動法人 日本消費者連盟
代表運営委員 富山洋子
東京都地域消費者団体連絡会
代表委員 奥田明子
スクラロース研究会
<公印省略>
要請書
「人工甘味料スクラロースにつき、安全性の再評価を行い、
販売に対する規制措置をとることを求めます」
 
 1999年に日本で認可された人工甘味料「スクラロース」(別名トリクロロガラクトスクロース、化学式C12H19Cl3O8)が添加されている飲食物が、スーパーマーケットやコンビニエンスストアー、自動販売機などで大量に販売されていることが私たちの調査でわかりました。製造・販売している主な事業者は、サントリー、キリン、アサヒビール、森永製菓、ヤクルトなどの食品・飲料メーカーです。
「スクラロース」とは、同じく甘味料の「アセスルファム」などと一緒に使って「甘さひかえめ」などとうたい、缶コ-ヒー、カクテルなどの飲料、ガムなどの菓子類、デザート、ドレッシング、漬物など100品目以上の食品に使用する食品添加物で有機塩素化合物なので、次のような問題点が考えられます。1)スクラロースはその毒性が証明されているわけではありませんが、難消化物質として下痢を伴う症状が出ることがあり、変異原性の疑いもあります。

2)体内で消化されることが少なく環境に排出され、難分解物質として環境中に蓄積される可能性があります。

3)市場に流通するスクラロースについて、1999年に食品衛生調査会で安全性が評価されたときの製造方法のままで現在も生産されているのかどうか、確認されていません。スクラロースはショ糖の3つの水酸基を選択的に塩素原子に置換することによって生成されますが、有機塩素化合物であることから、異なる製法で生産されると有害物質が生まれ消費者被害が生じる恐れがあります。

4)スクラロースが入った製品が自動販売機で売られていますが、購入者は購入する際に缶を手に取ることができないため製品にスクラロースが含まれているかどうか知ることができません。

こうしたことから、私たちは、消費者庁、食品安全委員会、厚生労働省、環境省に対して次のように要請します。貴省庁の対処方針を8月10日までに文書でご回答下さい。

①1999年以降の安全性試験に関する試験結果などの知見に基づき、再評価すること。あわせて摂取量の調査を行い、毒性試験から得られた無毒性量(NOAEL)を比較した安全限界を点検すること。

②スクラロースの使用実態調査を速やかに行い、使用上の問題があれば食品事業者に、使用上の注意を促し、消費者にも警告すること。

③市場に出回っているスクラロースが1999年食品衛生調査会に提出された製造方法で生産されているかどうかを点検すること。異なる製法で生産されるスクラロースが出回っている恐れがある場合には、食品衛生法違反として規制すべきである。

④スクラロースによる環境汚染を防止すべきこと。これはスクラロースが人に摂取された後、排泄により環境中に出ていき、下水処理場、河川、湖水、近海などへ蓄積されている可能性が高いからである。

⑤自動販売機での販売において、成分表示が購入者に分かる表示方法を事業者・販売者に義務付けること。

以上