newsletter No.54

No.54

2017年9月26日

 目  次

・「目のピント調節の機能性表示食品」での肝障害の顛末は? 健康食品による被害を減らすために何が必要か
・消費者委員会が加工食品の原料原産地表示制度について報告
・遺伝子組み換え表示制度の検討始まる 消費者の権利を保障する厳格な制度を求めよう
・パーム油のリスクと食品表示
・連載:食品と法律(27)「消費者安全法」
・輸入酒の「製造ロット番号削除品」問題でみえてきたもの
・トピックス①「普通の卵はどこへ? 特殊卵全盛の卵コーナー」
・トピックス②「日欧EPA交渉に異議あり」
・FSCW運営委員会報告

巻頭言

 8月28日、北朝鮮がミサイルを発射し、北日本にJアラートという名前の空襲警報が鳴りました。
 昭和20年、私は群馬県伊勢崎市の幼稚園に、母の着物で作った防空ずきんを肩から下げて通っていました。通園途中で警戒警報がなるとそのまま帰宅し、空襲警報がなると防空壕に入りました。

 しかし8月15日、まさに敗戦の日の未明0時から2時ころ、伊勢崎は大規模な空襲に見舞われ、約2000戸が燃え、約30人が死亡したそうです。もし実際に空から爆弾が落ちてきたら、防空ずきんも防空壕も何の役にもたたないことを表しています。
 当時、私は母の実家である旅館に住んでいました。母は私をたたき起こし、3階の窓を開けて、燃える家々を見せました。この旅館は大きい川に面して建っていたので、燃える家から炎が川に落ち、幼稚園生の私にはきれいな花火のようにしか思えませんでした。

 半藤一利氏の『昭和史』に、昭和8年、日本が国際連盟を脱退した年の7月から8月に「関東地方大防空演習」が行われたと書かれています。この防空演習に対し、信濃毎日新聞論説委員桐生悠々が、「関東防空大演習を嗤う」という記事を書いたことも書かれています。

 その記事は、「だいたい敵の飛行機が日本の上空に来るという状態になったらもう日本軍の大敗北そのものではないか。」「こうした実戦が、将来決してあってはならないこと、又あらしめてはならないことを痛感したであろう。」「従ってかかる架空的な演習を行なっても、実際には、さほど役立たないだろうことを想像するものである。」というものだそうです。
 ミサイルが日本に落ちて来たら、私たちの安全を守ることなどできるはずがありません。

 北朝鮮のミサイル発射や核実験は、アメリカや日本との共謀だという説があります。アメリカはこの機会に古くなった武器を日本に売りつけ、安倍政権は核武装したい野望があるように思います。
 騙されないようにしましょう。

(神山美智子)