安倍元首相の国葬に反対します

第22 F S CW2号
2022年7月25日

安倍元首相の国葬に反対します

食の安全・監視市民委員会
共同代表 佐野真理子 山浦康明

私たち「食の安全・監視市民委員会」は、市民の立場から、食の安全に関して、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省、消費者庁、消費者委員会などに提言を行うとともに、食品関連事業者を監視し、食の安全性と信頼を確立させることを目的として2003年4月に設立した市民団体です。
政府は2022年9月27日安倍元首相の国葬を行うと決定しました。この報道に接し、私たちは突然のこの決定に驚くとともに以下の理由からこうした国葬に反対するものです。

1. 手続きとして妥当な決定ではない
戦前の「国葬令」は廃止され、政府が根拠とする「内閣府設置法 4 条」の国の儀式に「国葬」が明記されているわけではない。国葬とすると弔意の表明を国民に強制することとなり、安倍元首相の内政・外交の評価に賛否両論ある中、国民の思想・信条の自由を侵しかねない。

2. 予算の使い方が間違っている
国葬は全額税金で行われることになり、コロナ禍と物価高で生活がなりたたない人々が増えているなか、妥当な支出とは言えない。

3. 安倍政権期の消費者政策について、正当な評価が得られなくなる
いわゆるアベノミクスの成長戦略によって、食の安全の確保が侵害されてきた。規制改革会議の提案もあり、イノベーション及び知的財産権重視の政策が前面に出され、規制が不十分で根拠もあいまいな機能性表示食品制度が始まったこと、ゲノム編集食品が容認されその表示義務を認めないこと、など、消費者が安全を願い、選択権を行使することを妨げてきた事例は枚挙にいとまがない。多くの反省点、教訓をもたらす政策さえも「成果」として強調する「国葬」は、それらの検討・精査の機会を奪うものとなる。

以上

<連絡先> 食の安全・監視市民委員会
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田 1-9-19-207 Tel:03(5155)4765 Fax:03(5155)4767 E メール:office@fswatch.org