「エコナマヨネーズタイプ」の安全性審査に関する質問に対する食品安全委員会の回答

府食第136号
平成15年9月30日

食の安全・監視市民委員会 御中

内閣府食品安全委員会事務局評価課長

 本文9月16日日付で貴委員会より送付いただきました「エコナマヨネーズタイプ」の安全性審査に関する食品安全委員会の結論に対するご意見につき、以下のとおりお答えします。

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会新開発食品調査部会においては、「エコナマヨネーズタイプ」に含まれる1,2-ジアシルグリセロール(1,2-DAG)が、in vitro でプロテインカイネースC(PKC)を活性化することが知られていたことから、この 1,2-DAG が発がんのプロモーターとして作用するのではないかという点について検討された結果、「ラットを用いた2年間がん原性試験等で発がん性を示す所見は認められず、また、in vivo 試験でエコナに使用されている 1,2-DAG が PKC 活性の亢進に基づいたプロモーション作用を引き起こすとの報告もないため、エコナマヨネーズタイプについての安全性に問題ないとして差し支えない」と判断されたものとして認識しています。なお、追加の二段階試験については、この結論を検証するために、あくまで念のため実施されるものと同部会の議事録にも記載されており、当方もそのように認識しています。

「エコナマヨネーズタイプ」に含まれる DAG は主な食用油すべてに天然に1~10%含有されているものであり、また、通常の食用油を摂取した場合にも代謝・吸収の過程で DAG が生成されていますので、食品として摂取することについて安全性上の問題はないと思われますが、1,2-DAG のプロモーター作用について懸念が示されていることから、当委員会としても、独自に調査・検討を行ないました。

この結果、エコナに含まれる炭素数14以上の2本の長鎖脂肪酸を有する 1,2-DAG は細胞膜を透過できないため、細胞中の PKG を活性化することはないと考えられ、「エコナマヨネーズタイプについての安全性に問題ないとして差し支えないとする厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の審査結果は妥当」と判断されたものです。なお、厚生労働省が指示している追加試験については、今後の科学的データの蓄積という観点から、結果について当委員会にも報告をしていいただくこととしたところです。

当委員会としては、今後とも、科学的知見に基づく、適正なリスク評価を行なってまいりたいと考えております。