特別決議「体細胞クローン家畜を食品として認めないことを求める決議」

08FSCW第6号
2008年4月28日
厚生労働大臣 舛添要一様
農林水産大臣 若林正俊様
食品安全委員会委員長 見上彪様
特別決議「体細胞クローン家畜を食品として認めないことを求める決議」
 4月1日、厚労省は体細胞クローン家畜食品の安全性に関して食品安全委員会に諮問しました。諮問の内容は、A4判の紙1枚に経緯が述べられているだけの、実に簡単なものでした。そこでは、過去に行われた厚労省と農水省の安全性評価の試験が示され、体細胞クローン牛に関して「従来の技術により産出された牛にはない特有の要因によって食品の安全性が損なわれることは考えがたい」「一般牛の生産物との間に生物学的有意差は認められない」という見解が述べられています。

さらには米国FDA(食品医薬品局)とEFSA(欧州食品安全庁)の評価結果を踏まえて「安全性に関する知見が集積された」ことで諮問する旨が記されているものの、体細胞クローン牛が抱える問題点については一切触れられていませんでした。
体細胞クローン技術は、死産や奇形、病死などの異常が多いなど、多数の問題点が指摘されています。ましてや、それをミルクや食肉など食品に用いることに対して、消費者は強い疑問や抵抗感をもっています。

すでに出回っている受精卵クローン牛肉では、かなりの量が市場に出回っていますが、表示がないため私たちは選択できません。また、管理がずさんなため、行方不明の牛が多いという問題も指摘されています。政府はまず生産者・消費者の意見を聞くことからはじめるべきです。
このような状況においては、私たちは、クローン家畜をつくるべきではなく、食品として認めることに強く反対します。
以上、決議します。

2008年4月26日
食の安全・監視市民委員会第6回総会参加者一同