抗議声明 「中央卸売市場の『豊洲移転・築地再開発案』に反対します」

17FSCW第25号
2017年6月26日
東京都知事 小池百合子様
      食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子

抗議声明
「中央卸売市場の『豊洲移転・築地再開発案』に反対します」
 私たちは食の安全を確保するため、行政や企業の行動を監視してきた市民団体です。
6月22日小池都知事は豊洲市場へ移転し、築地を5年後に再整備する、との方針を示しましたが、この判断には次のような多くの問題点があり、私たちは納得できません。築地市場の再整備こそが唯一の解決策だと考えます。今回の判断を糾弾するとともにその白紙撤回を求めます。
1)小池知事が2016年8月、築地移転の延期を決めた理由の1つに豊洲の土壌汚染問題がありました。その後豊洲市場の建物の空洞化、地下水汚染の危険性が発覚し、とても豊洲市場の安全宣言など出せる状況ではありません。専門家会議での地下と地上を分けて安全を確保することも土壌専門家から見て空論にすぎず実行可能性もありません。豊洲は食を扱う場所としては不適格です。

2)豊洲へ市場を移転し、築地をオリンピックのための駐車場とし5年後に再開発するという計画は現実的ではありません。豊洲と築地両者で市場機能を分担するという発想は市場を中心として人々が集まる本質をゆがめます。都知事の計画では築地の仲卸業者は築地から豊洲へ、また豊洲から築地へと2度も移転を強いられ、経済的負担にたえられません。現に仲卸事業者の7~8割が築地での営業継続を望んでいます。

3)東京都議会議員選挙に向けて豊洲移転派と築地継続派両者におもねる今回の提案は、選挙対策としての発想に他なりません。将来にわたって、消費者を始め関連事業者が望む市場のあり方を真剣に考えているとは思われません。

4)中央卸売市場として、築地市場のせりによる価格形成、仲卸による品質重視の値決めなど本来の市場機能が重要であることに鑑みて、今後も安全性を確保しつつ築地の再整備を進めるべきである、と考えます。

以上