米国産牛肉輸入条件の緩和に関する申し入れ

07FSCW第23号
2008年1月9日
内閣府食品安全委員会
委員長 三上彪様
プリオン専門調査会座長 吉川泰弘様
食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19-207
NPO法人日本消費者連盟気付
Tel 03(5155)4765 Fax 03(5155)4767

米国産牛肉輸入条件の緩和に関する申し入れ
 昨年12月7日に行われた日米次官級経済対話において、米国側は、「日本側が輸入条件を30ヶ月未満に緩和する方針を示した」と発表したと報じられました。同日夕の町村官房長官の記者会見における発言も、そういう方針を認めたとされています。しかし、農水・厚労両省は、「現時点において、具体的な見直しが決まっているものではない」と、12月17日に公式見解を発表しています。

政府内の食い違いは問題ですが、いずれにせよ今後、輸入条件緩和が、米国から強く求められることは想像に難くないところです。
諮問の前提になるとされている「日米間の技術的会合に関する報告書」(未発表)がどのようなものであれ、現時点では米国のBSEに関する諸リスクが軽減されたとは判断できません。逆にサーベイランスの緩和(検査頭数の縮小)などから、リスクは増加していると考えられます。このような状況では諮問を受け入れる余地はないと思います。

吉川座長ご自身も、昨年6月、東京新聞の取材に対し、「米国の背景リスクが変わっていないのに、輸入条件を緩めても安全かと諮問されても、大丈夫ですと答えるのは難しい。問う方も問われる方も論理破綻する。飼料規制が強化されなければ、BSE病原体は国内で循環し続けることになる。米国が業界の反対で(規制強化)をやらなかったことは、大きなマイナス材料だ。この懸念はOIEもわざわざ注釈を付けて指摘している」と答えていらっしゃいます。

そこでもし、農水・厚労両省から「米国産牛肉の輸入条件の緩和」を諮問された場合は、科学的立場にたち、毅然とした対応を取られるよう、強く要望します。